
いいね、プロヴァンス<ハーブのある生活>
プロヴァンスは、ハーブが日常生活に溶け込んでいる。それは本で知っていたけれど、今回の旅で実感した。
道を歩いていると、さわやかな香りが漂ってくることがある。ハーブなんていうと、日本だと「植えて育てるもの」
という感じがするけれど、プロヴァンスでは雑草みたいなもので道端にたくさんある。そういうのはさすがに料理には
使えないのかもしれないけど、歩いていたらさわやかな香り・・・なんて、得した気分になる。
マルシェに行けば、ハーブやスパイスの量り売りが必ずと言っていいほど店を構えている。お客も当たり前のように
買っていく。「これは何に使うの?」なんて訊かない。そんなことはわかりきっているから。
食器が売っている店には、「ハーブミル」がペッパーミルやソルトミル同様、きちんと場所を与えられ、並べられている。
「エルブ・ド・プロヴァンス」などを挽くための道具だ。エルブはハーブのフランス語。つまり「プロヴァンスのハーブ」。
エルブ・ド・プロヴァンスはタイム、ローズマリー、セボリー、バジル、マジョラム、ラヴェンダーなど5、6種類のハーブを
ミックスしたもので、もちろん生葉でもいいけれど、乾燥して細かくしてあるものならあちこちで売っている。細かくしてある
と言っても、ローズマリーなんかは固いので、食べた後ボソボソ感が残る時がある。なので、ハーブミルでさらに細かく挽く、
というわけだ。日本ではハーブミルなんて見たことないけど、プロヴァンスでは普通の道具。
ちなみに、エルブ・ド・プロヴァンスを一つまみ料理に加えるだけで、味が全然変わってくる。美味しくなるのです。
自炊していた時は大活躍してくれました。
民宿でプロヴァンス料理を教えてもらった時、ミリュエル(オーナーの名前)が「ローリエを摘みに行くわよ」と言って
外に出た。すぐ目の前に大きな月桂樹が枝を伸ばしていて、ミリュエルはその葉を1、2枚摘んだ。さらに「タイム」と
雑草の中から2、3本抜き取り、「これでOK」とキッチンに戻った。
別の日、食事の後にハーブティーをいれてくれた。ハーブはたった今、庭で摘んだばかりのものだ。砂糖を入れて飲むと
とても美味しいのよ、と教えてくれた。ほのかにレモンに似た香りがして、本当、とってもおいしい。ハーブの名前を訊くと
「thym citron」と言う。直訳すると「レモンタイム」だけど、タイムは種類がたくさんあるし、その時はよくわからなかった。
(帰ってきて調べてみたら、確かに「レモンタイム」というハーブがあった。)でも、摘んだばかりのハーブは香りも抜群。
それを気が向いた時に楽しめるなんて、羨ましい限り。
帰国後、ミリュエルからプロヴァンス料理のレシピが書かれた小冊子が届いたのだけれど、封を開くと同時に、ふわっと
ラヴェンダーの香りがした。ミリュエルが気を利かせて、ラヴェンダーオイルでも染み込ませたのかもしれない。
でも、そんな演出をさらっとしてしまうなんて、とっても粋だな、と思う。